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ベビーコロール資料室
開発の発端 〜 その形のひみつ
 COREによる提案


 商品科学研究所は(*注)、セゾングループより資金のバックアップを受け、1973年から1998年にかけて活動した民間の研究所です。公の立場で、実生活に役立つ調査や研究、生活者の立場からの商品のテストを行ない、それをCOREという雑誌として発表していました。

 そのCOREの一冊に[描く遊び]とその道具―市販のクレヨンを中心として―と題されたものがあります(昭和56年7月発行、CORE No.25。)その中で私たちが幼稚園向けに生産している複数のクレヨンが好意的な評価を受けていました。しかし、その研究の中で通常のクレヨンが3歳以下の幼児にとって扱いにくい形態であるとの指摘があり、結論として図-10のような描画材が提案されていました。

 私達はこの研究に啓発され新しい幼児用クレヨンの開発を1981年の夏にスタートしました。

 *注: 現在、大阪にある有限会社商品科学研究所や滋賀の旭化成せんい株式会社商品科学研究所とは関係がありません
図10CORE提案
 材質

 COREの提案は、軟らかめのクレヨンまたは硬めのクレヨンを太いホルダーに収めたものでした。しかし、私達は商売柄、クレヨンが折れ易いこととクレヨンで付けた汚れを落とすにはどうしたら良いかという問い合わせにいつも悩まされていました。そのため普通のクレヨンは幼児には適さないと考えました。そして当時開発中であった新しい材料を使う事にしました。

 それはクレヨンに融点の低いプラスチックを混ぜることで硬く丈夫にしたもので、紙には描けるけれど手には色がつかない性質があり、この目的に最適と思われました。また、その材料は完成すれば自由な立体形状に成型可能になると期待されていました。
 構造

 図-10のような構造は、見たところ単純で簡単に実現できそうに思えるかもしれません。でも私達の考えは違いました。このような極太のホルダーとクレヨンの組み合わせは製品としていろいろな点で無理があると思われました。それで私たちが選択したのは、前述の材料を使って一体的にその大きさに立体成型する方法でした。
 完成したかたち
無垢のベビーコロール
 一般的にクレヨンは、材料を加熱して溶かし、金型に流し込んでからゆっくりと冷却して作ります。固まるときに材料が大きく収縮することで変形したり中心部に穴が開いたりするという問題があります。また、冷却を急ぐと材料に歪みが発生して折れ易い製品になります。つまりクレヨンは太くなるほど生産が難しくなり、成型に時間がかかるようになるのです。すなわちそれは、製品の価格が高くなってしまうことを意味します。握り部内をくり抜いたベビーコロール
 COREの提案は、長さ60mm、直径35mmというかなり太い形状のものでした。幼児がしっかりとつかめるその形状を損なわないように注意しながら私達は可能な限り不要な部分を殺ぎ落とすことにしました。しかし、握りになる部分はそれ以上小さくすることは出来ません。そこは内部を繰り抜く以外に方法がありませんでした。

 内部に空洞を作ったことによる冷却効果は絶大で、成形時間は大幅に短縮されました。また、クレヨンの後端を大きく平らにすることでクレヨンが安定して自立するようにしました。その結果としてそれは積み重ねることが可能になったのです。

ベビーコロール貫通した内部空間 さて、その試作品を吟味しているときに開発担当者は非常に重大なことに気がつきます。幼児用の商品といえば当然、口に入れる可能性を考えておかなければなりません。試作品の先端を口に含み、チューチュー吸った場合にクレヨンが咽の奥へスポッと入り込むことが分かりました。このような危険を無くすために私達はクレヨン内部の空洞を先端まで延長し、空気穴を貫通させる決断をします。初めはクレヨン先端に穴が開いていては使いにくいのではないかと心配しましたが、実際に作ってみると予想に反してほとんど問題ないことが分かりました。
ベビーコロール3Dイメージ
 この開発は、材料の改良と平行して実際に試験用の金型を製作して行なわれ、試作結果を受けて金型の修正や作り直しを繰り返すというかたちで進められました。ベビーコロールはCOREの提案より10%ほど小さくなって(長さ55mm、直径32.5mm)製品化されました。開発着手から一年以上が経っていました。

 完成した形は可愛らしくデザインとしても満足のゆくものでした。私達は日本のほか欧米4カ国へ意匠などを出願し、表のように権利を取得しました。
ベビーコロールの工業所有権
意匠商標実用新案
日本664343他1922505他1689035
Des.284980 - -
1013815 - -
MR21 076 -G8318698.0
832489 - -
 
 
色名と色度
Icon d43 描画色
ベビーコロールの色名と描画色の標準マンセル値
No.和名英名マンセル値(H V/C)
Icon r1 1しろWhiteN 9.5/0.2
Icon r4 4ペールオレンジPale Orange1.5YR 7.8/7.9
Iconr5 5きいろYellow6.5Y 9.0/13.1
icon r8 8みかんいろYellow Orange6.9YR 7.7/13.3
Icon r10 10だいだいいろOrange0.9YR 6.9/13.6
Icon r13 13あかRed4.8R 4.8/15.2
Icon r13 16ももいろPink4.4RP 7.2/10.0
Icon r17 17ローズマダーRose madder7.9RP 6.3/13.0
Icon r20 20むらさきPurple7.5P 4.7/15.9
Icon r202 202ふじいろLavender6.9P 7.0/10.1
Icon r24 24おうどいろYellow Ochre0.5Y 7.6/10.2
Icon r26 26ちゃいろBrown9.7R 4.5/7.3
Icon r29 29(バント)アンバー(Burnt) Umber8.5YR 4.2/3.1
Icon r31 31くろBlackN 2.7/0.3
Icon r32 32はいいろGray4.7PB 6.3/1.1
Icon r36 36みずいろPale Blue8.5B 6.7/9.6
Icon r361 361ライトターコイズLight Turquoise2.3B 7.8/6.2
Icon r38 38あおBlue4.4PB 4.8/12.8
Icon r41 41うすみどりPale Green4.8G 8.0/7.1
Icon r43 43きみどりYellow Green0.3G 7.4/11.1
Icon r442 442ティーグリーンTea Green6.2GY 8.5/8.2
Icon r45 45みどりGreen4.8G 5.1/9.4
 注:マンセル値で記した色度は製品の外観色ではなく、目の荒い紙(ろ紙)に塗った時の測定値です。
 この値は代表的な一つの測定値であり、製品の色度を保証するものではありません。

 
 
販売状況
 累計出荷数量

 昭和58年の発売以来生産を続け、平成23年末の時点でベビーコロールの出荷数は海外を含めて累計3500万個を超えました。
ベビーコロール累計出荷数
 販売実績

 ベビーコロールを当社と直接お取引いただいたことのある企業を次に示します(順不同、株および敬称略)。現在は取り扱っていないあるいは存在しない企業を含みます。
[  赤ちゃんとママ社  / エーワン  / 石川玩具  / アガツマ  / 文房堂  / クレヨンハウス  / 東急ハンズ  / 西武百貨店  / 朝日通商  / あおぞら  / ペリカン(独)  / ランダムハウス(米)  / ローズアート(米)  ]
icon d5 生産終了製品

ベビーコロール16色セットベビーコロール20色セットベビーコロール8色3点セット

 16色セットおよび20色セットは、生産終了しました。
 6色、12色セットは、新パッケージで販売しています。現行品はこちら

icon d36 TV番組
未来創造堂第97回でのベビーコロール